ハーブティには多くの効能がありますが、利用には注意も必要です。古くからヨーロッパで実証されてきた薬用効果をもつ草には沢山の種類があるので、それぞれの特徴を理解して自然志向のおしゃれな飲み物として利用しましょう
ハーブは、herb・草という意味です。ラテン語の草本性の植物ということで、ハーブという名前を持つ種類の植物があるわけではありません。薬用効果を持つ草全体を総称してハーブと呼んでいるのです。つまり、古くから主にヨーロッパ地方において薬草と言われたり、芳香性から食事の際にスパイスとして利用されてきて、人の体に何らかの有益な効用を見出されてきた草の全体を指してハーブといいますから、具体的な特定の草がハーブといえるかどうかは、分類する人によって変わることがあります。また草だけではなく、固い幹を持つ木本植物でもハーブに含めたり(たとえばローズマリーやローレルなど)、いわゆるヨーロッパ伝統のハーブ以外の草でも、薬草やスパイスなどに使われていればハーブに分類されたりしています。その数は一般に100種類ほどといわれています。
ゲームソフトでもアメリカ製ならコーヒー、日本製ならグリーンティが出てくるシーンでも、レイトン教授と悪魔の箱(ニンテンドーDS用ゲームソフト)という人気ソフトにはハーブティをふるまってあげた人をそろえるため、その人たちを探すクイズといった形で出てくるほどヨーロッパ人にはハーブティが生活に溶け込んでいます。
ハーブとは人の体に有益な効用を持つ草全体ということですね。
ハーブの効能を種類別に調べてみると驚くほど多岐にわたっています。
まずアンチエイジング、老化防止の効果がうれしいです。
私たちを老化に向かわせる原因は、ストレスいっぱいの生活の中で体の中に発生する活性酸素ですね。活性酸素のいたずらは有名になりました。活性酸素が血管を酸化させると成人病の原因になるし、細胞を酸化させるとお肌のシミ、しわなどの原因になり、脳を酸化させると認知症の原因になったりします。
この活性酸素を取り除く働きをするのがハーブなんです。ハーブには活性酸素を除く酵素が含まれているので、お茶として飲むことが老化の原因を取り除いてくれているというわけです。
加えてリラックス効果にも優れています。芳香性が高く、色もさまざまなので、よい香りやきれいな色を楽しむことができ、このためだけに飲む人もいるくらいです。ハーブの香りはお茶だけでなくポプリとか精油として利用されるとアロマセラピーとして香りの効用も利用されたりします。リラックス効果をもちながら、老化も防止できるなんてまさに一石二鳥!
代表的なハーブの種類と効能を紹介してみます。
エキナセア:ドイツの学会ででエキナセアについての研究発表がありました(1992年)。それによると、風邪やストレスに弱い人を対象にエキナセアを用いた実験結果が報告され、風邪にかかる回数の減少、風邪症状の緩和、治癒速度の早まりなどの効果があったとされました。ストレスいっぱいの現代社会の仕組みの中で、どうしても弱まってしまう免疫力をエキナセアの抗菌力が作用したということです。事実アメリカではインフルエンザの予防薬としても利用されていました。殺菌力が強く、傷口の洗浄、のどの痛み、皮膚病などに使用されてきました。
ペパーミントなどのミント:ミントにはペパーミント、スペアミント、ハッカなどが有名ですが、鼻づまりの時などに利用されるように、スッとした香りが粘膜に刺激を与え、清涼感に助けられた経験を持つ人は多いでしょう。そのほかかゆみや炎症の緩和効果 があります。寝つきの悪い時にはミントティーの鎮静作用も利用できます。
ローズマリー:葉をちぎってこすってみてください。強い香りがわき立ちます。芳香性が強い分効能も多いようです。ペパーミントと同じように鼻づまりに作用するといわれています。
ハイビスカス:鮮やかな赤色で酸味のあるハイビスカスティーは、カリウム、ビタミンCが多量含まれているため、胃や肝臓に作用し、疲労回復や食欲不振、二日酔いなどに効果があります。利尿作用もあるので、飲みすぎた翌日には思い出すといいかもしれません。酸味は梅干しに慣れた日本人にはさわやかで飲みやすく人気があります。クエン酸の酸味が苦手な人なら蜂蜜を加えても良いそうです。
ハーブティの効用を症状別に概観してみましょう。
私たちの普段の生活で身近に起こりやすいこととして、便秘、冷え性、不眠などがあり、花粉症やダイエット、さらにはデトックス対策も考えなくてはなりません。どれも重要であるにもかかわらず軽視されがちなほど一般的な症状です。このような症状に対してどのようなハーブをどうやって摂取するのが効果的なのかを紹介します。
カモミールを取り上げてもましょう。
イギリスの童話でピーターラビットは有名ですが、その中でピーターがおなかをこわしたときにお母さんはカモミールティをの飲ませていましたね。カモミールの花は可憐で、お茶にするとかすかな甘みがあり、体に穏やかに作用するやさしいハーブですが、実は麦や雑草のように踏まれても繁殖力が衰えない強い草なのです。そのうえ、害虫に侵された植物のそばに植えてあげると元気を取り戻すといわれ、植物のお医者さんと呼ばれるほどです。ヨーロッパではハーブティの女王とも呼ばれ、17世紀ころから民間薬として長く利用されてきました。
主に女性特有の疾病や、気分の落ち込みなどの神経障害に効力を認められています。リンゴに似たやさしい香りが体調とホルモンのバランスを整え、リラックスと安眠を誘うので、生理不順や冷え症,貧血,不眠症改善,便秘、特に神経性の便秘などに役立ってきました。体を温める効果や安眠と消化促進作用で、不眠症や胃もたれなどの症状改善に良いでしょう。ハーブティの代表ともいえます。飲み方はシングルでもほかのハーブとのブレンドでもよく、香りや色にも配慮して自分の症状に合わせて調整してみてください。
神経障害と言えば、軽から中程度のうつ病にはセント・ジョーンズ・ワートにも効果があるようです。
下痢、腹痛、生理痛の方では、シナモンが冷えからくる効力を見せます。シナモンのハーブティには甘味も辛味もあり、この辛味が血行を促進しおなかを温めてくれるためです。
飲み方はブレンドにすることが一般的で、フルーティな香りのハーブと合わせれば全体としてまろやかな味になるし、スティック状のシナモンをスプーン代りに使ってみると面白く人気がある飲み方です。
注意することは最後にまとめて書きますが、シナモンについては先に一言書いておきます。シナモンには子宮刺激作用があるんです。このため妊娠中の摂取については特に気をつけることがあります。長期間継続的に飲むことや、一気に大量に飲むことは避けなくてはなりません。
花粉症対策には。
花粉症はアレルギー性の結膜炎、鼻炎の一つで、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみといった症状をみせますが、スギ、ヒノキ等の花粉に対してアレルギーをもつものです。花粉症は厄介で、つらいものです。困っている人も多いですね。飛散の時期や量が気になりが、マスク対策などもしながら、ハーブの中に花粉症に効果のあるものを探してみましょう。
マロウがお勧めのようです。マロウには何種類かあって、マーシュマロウは今でも咳止め用のお菓子に使われていますし、ブルーマロウにはのどや鼻の粘膜を保護する働きがあります。このため、鼻炎、花粉症、ぜんそくなどの症状の緩和に効果がみられます。ユーカリの葉にも薬効があるといわれ、ジャーマンカモミールやエルダーなどとブレンドすると鼻炎、呼吸器疾患などに効果 的といわれています。花粉症にも効果が増すと思います。
ヘビースモーカーやお肌に不安のある方は、ビタミンCを大量に含むローズヒップティで補充します。デトックス
インフルエンザ予防や炎症には、殺菌力の強いタイムも良いです。
植物の薬効を利用して医学にまで高めているのは、ヨーロッパだけではありません。漢方薬で有名な中国では、
ハーブティのことを「草本茶」といい、もちろん薬用として飲まれてきましたし、韓国の人参茶などもハーブティに含まれるでしょう。
このように、ハーブティは選びながら利用すると効果のある飲み物になります。でも、漢方薬が使い方を誤ると大事に至るように、ハーブも選択や使用するタイミング、使用する期間など注意しておかなくてはならないことがあります。 ハーブティーは基本的には香りや味を楽しむお茶で、薬ではありませんが、海外では薬として扱う国もあるくらいですから。ハーブにはたくさんの種類があって、それぞれの特徴や効用をいくつか紹介しましたので、どんな体調の時にどんなハーブが効きそうだということは理解されたことと思います。目的や体調を考えながら飲むことが大切です。
妊娠中の方に。
妊娠中でも全く禁止というわけではなく、妊娠初期から安定期を経て出産直前まで、それぞれに適した対応があるので、個人差も含めてお医者さんやハーブ販売店の専門家と相談して飲むようにしましょう。大体の目安としては、妊娠初期のハーブ使用は勧められておらず、避けておくのが安全ですが、栄養補給に優れているものもあるのです。子宮の収縮などの影響もあったり、避けるべきハーブにはセージ、タイム、バジル、エキナセア、ローズマリー、シナモン、ヤロウなどがあります。一方ハイビスカス、ローズヒップなどは飲めるようです。大切な時期ですから、安易な摂取はくれぐれもご注意ください。
小さなお子さんとカフェインについて。
ハーブティーにはカフェインは含まれていません。カフェインはお茶の葉やコーヒー豆などに含まれる渋みを作り出す成分で、大量に取り過ぎれば興奮、神経過敏などの症状を引き起こしますが普通の飲み方であれば問題はありません。ハーブティにはそもそもカフェインがなく、ピーターラビットもおなかをこわしたときにお母さんが飲ませてあげていました。カモミールでした。しかし、カフェインがないといっても、大人でも注意しながら飲むような効き目の強いハーブは、量を少なくしたり、薄めたり、飲むタイミングなどに気をつけなければなりません。特に就寝前のローズマリーやミント系のハーブティは寝つきが悪くなるので与えてはいけません。
その他次のような方、持病のある方は多量の摂取を避けるなどの注意が必要です。
血圧が高い方は、タイムや覚醒作用の強いローズマリー、強壮作用のあるセージは避けます。
血圧が低い方は、血圧を下げる働きをするタンポポは避けます。
そのほかの例では腎臓病の方は、ジュニバーべりー、ベニーロイヤル、緑内障の方はリコリス、消化器系に炎症のある方はジンジャーを避けるなどがあります。
また、長期にわたり継続して多量に摂取してはいけないものは、セントジョンズワート、ヤロウなど注意してください。
ハーブティの入れ方、飲み方について。
ハーブティは香りだけでなく色もさまざまなので、その特徴を楽しむ工夫もしましょう。用意するものは内側が白色系のティーカップ。本当の色が楽しめます。また香りが広がりやすい広口のものがいいです。ティーポットも透明な耐熱ガラスなら目で楽しむ機会が増えます。ティーポットやティーサーバーには鉄分を含むものは避けます。容器の鉄分がハーブのタンニンと合わさって色が黒っぽくなるし、香りも純粋なハーブから離れてしまいます。
ポットとカップが決まったら、いよいよ沸かします。
水は、汲みたての新鮮な水で空気が沢山入っているもので、軟水が良いです。水を沸騰させた直後の100度Cがタイミングです。沸騰しすぎたり、なまぬるいお湯だとハーブティーの芳香成分が出てきてくれません。
いよいよハーブですが、ハーブを入れる前にポットとカップを温めておきます。温めたポットに、一人スプーン1杯分を目安に人数分だけ入れます。スプーン1杯といっても、細かい茶葉なら小さな山、粗い茶葉なら大きな山になるくらいを基本として、飲むうちに少しづつ調整してゆきます。蒸らす時間は2,3分から3,4分で茶葉の粗さやミルクティーにするかどうかなどでそのつど変えます。蒸らすときのコツはポットの温度を下げない工夫です。ポットの底にはティーマットなどを敷いて保温に注意します。
カップへの注ぎは、数人分を入れる時には茶こしを利用しながら数回、回し注ぎをして濃さを均一にします。
慣れてきたらブレンドを試してみると楽しいです。
飲むタイミングはそれぞれのスケジュールによって起床時、食事の前後、休憩時間、就寝前などいつでも可能です。
個人のライフスタイルに合わせて、リラックスできる場所や時間を選んで楽しむ工夫をしてみましょう。疲労やストレスから解放され、健康な状態に戻してあげましょう。
このようにハーブは、その薬効から食用として利用され、また芳香性に優れていることから最近ではアロマセラピー効果に注目した研究も進んでいます。私たちはハーブティの効用を考え、体調と相談しながらハーブを選び、ブレンド配合を変えるなど工夫しながらおつきあいしたいと思います。そのためにはふだんから自分の体調の変化を知る努力が大切です。不調の時は、年齢に関係なく深刻な病気が隠れているかもしれないという気持ちも忘れないようにしましょう。そのうえで、ダイエット・美容・美肌・健康など目的を持って自然の力を借りるという姿勢が大切です。
毎日の生活がバランスのとれた健康な体と、穏やかな気持ちの維持で前向きに暮らせるといいですね。